寺が仏事拒否??と「寺院消滅 - 失われる「地方」と「宗教」-」鵜飼秀徳著

先日、92歳で伯母が亡くなった。私の実母の姉で、家内にすると伯父の配偶者。このあたりは、寺の繋がりというのはというのはややこしい。亡くなった伯母の母親(福岡節寿)は代田・光済寺に生まれ、若くして家督相続人として、珠洲の鵜飼の妙厳寺の次男・正圓と婚姻するまで苦労の連続だったと伝え聞く。

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武内正圓・浅草別院輪番時代か?

その二人の二女として生まれ、母親が家督相続人だったという事で、代田・光済寺の福岡彰絢(家内の伯父)と結婚した。地方の寺が食べられるようになったのは近年のことで、肋膜を四高時代に患い、床に就くことが多かった住職を助けながらの寺院の維持管理は並大抵の精神力では不可能なことであったであろう。私が成人する前、遊びに行くと、何度か吐血し救急車で運ばれる伯父さんの姿をみている。「この寺の 子なき夫婦 落ち葉焚く」こんな俳句が書かれていたのを思い出す。物悲しく、この句を詠んだ伯父さんに直接聞いたり、触れたりする事が出来なかった。子供に恵まれず、後継者には悩まされていたと思う。扨て、その後の経緯は略す。伯母の行き場がなくなり生活の面での手助けは十数年続いたが、私の娘や娘婿たちの助力がなければと感謝している。危ない状態を知らされたのは、當寺、報恩講の満座の夜11月1日。11月13日に家内が付き添っている時に、スーと息を引き取った。その間に葬儀の事について親戚を通して相談したが、墓には納骨Okだが、仏事は拒否との事。仏事拒否??つまり、葬儀はもとより譲歩案の偲ぶ会もしないという事。伯母の遺骸を珀琳寺に運んで、通夜・葬儀を執り行った。新聞広告にはあえて載せなかったが、思いがけない参詣、法中さんも駆けつけて下さった。感謝感謝。祖師へは報謝。奇しくも今年は伯父さんの33回忌の年。珀琳寺 住職

斎場での最後の別れ

斎場での最後の別れ

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白骨になって呼びかけてくる

 

寺院消滅 失われる「地方」と「宗教」

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葬儀後「寺院消滅 - 失われる「地方」と「宗教」-鵜飼秀徳著を読み返してみた。

経営の危機に瀕するお寺と、お寺やお墓はもういらないと言う現代人──。この問題の根底には、人々のお寺に対する不信感が横たわっている。僧侶は、宗教者としての役割を本当に果たしてきたのか。檀家や現代人が求める「宗教」のあり方に応えることができているのか。
 地方崩壊の根底に横たわる寺の消滅問題について、日経ビジネスの記者が全国の寺や檀家を取材し、徹底的にルポ。芥川賞作家の玄侑宗久氏らのインタビューを交えてこの問題に迫る。
 お寺やお墓、そして地域の縁を守ろうと必死で努力する僧侶たちの姿と、今だからこそ、仏教に「救い」を求めて集まる現代人の姿が見えてくる。

 

 仏教好きの坊主嫌いが現代人の特徴らしい、いずれ淘汰され、本来の姿に戻って行くのであろうか・・悩ましい課題である。珀琳寺 住職 みんなの墓(石川県永代供養墓)推奨寺院