露地の化け灯篭と立石(たてりいし)

GWに入る前に、能登沖地震から徐々にカタガリだした立石と、笠石の落ちた化け灯篭の積直しを懇意にしている石材店に修復して頂いた。能登沖地震は平成19年3月25日、輪島市沖40kmで発生した最大震度6強。中能登町でも6弱という激しい揺れであった。全壊の門徒さんは3軒、半壊は数知れず、道路ひとつ違うだけで損害の程度が全く違ったのには当時経験した、驚きだった。もう9年も経つが本堂の石垣のずれや、山門の踏み石のひび割れ。白壁の剥落・風呂場のコンクリートは今になって大きな戻ろうとする力によってタイルごとバラバラになってきている。露地の石のカタガリも徐々に進行してきたものだ。

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ユニックで石を持ち上げる重機を降ろす

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慎重に枯山水の中に重機を

 

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笠石の落ちた化け灯篭。下は笠石

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傾いた立石・小さく見えるが2mの高さ

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今回誂えた火屋を載せる

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落ちた笠石を慎重に重さは70kg

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傾いた立石をなんとか真っ直ぐに

この時、お参りがあり直接は見れず

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こんな感じで満足。もう少し立石が左に5cm程

・・・。これ以上直すには大きな重機がいるという事

 

生前、父が古い勧修寺灯篭を欲しがっていたが、家人の反対で断念。私も興味が無く援護射撃もしなかった。この頃5尺ほどの苔むした灯篭が欲しくてたまらないが妻に猛反対の憂き目にあっている。珀琳寺 住職

 

定例総代会開催される

去る26日、定例の総代会が開催された。出席者8名(欠1名)私を含め9人。

  第1号議案 平成27年度事業報告
  第2号議案 平成27年度決算報告      
  第3号議案 平成28年度事業計画(案) 
  第4号議案 平成28年度経常費 (案)
  第5号議案 平成28年度会計予算(案)

まで、慎重審議され、今後予定される大規模修繕事業に対する大まかな確認、門徒数減少に伴う宗教行事の縮小についても論議された。また、地震保険について提出すべき資料が保険屋のミスで先延ばしされた。個人的には此の事について同意を得たかったが、住職・責任役員・会計・総代会副会長の4人に託して頂くことで終了。総代さん総出の勤労奉仕の日を決めて散会。終始和やかな雰囲気。珀琳寺住職

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暑かった大阪

昨日、大阪の門徒さんの法事から寺へ戻る。2、3泊の予定であったが、恋しくなるのは自坊。暴風が石川を襲いサンダーバード運休になったばかり、前泊する慎重さ・・・10年前なら始発で行くのはあたりまえ。阿倍野辺りで目ぼしい店は満員。石川とは10度も違い暑く、難波か谷町まで行く気にもならない。そうそうに空いてる店に入り、小一時間。気軽な立ち飲みやなら、大阪なら隣の人と話も弾むのだが。少しうろつき、翌日に備え就寝(10時頃)。法要を終え、大阪の門徒さんに連絡を取るが留守ばかり。ホテルをキャンセルし帰途へ。うっかりJR難波線に乗ってしまい、ぎりぎりサンダーバードに飛び乗る(法衣類の荷物の重さを恨む)。お土産一つ買えず迎えに来た下の娘からはブーイング。珀琳寺 住職

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満員で20分程待つが動く気配なし

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夜景を眺め南海トラフトが騒ぐとどうなるかと・・

遺体ホテル、献体――加速する「多死社会」の現実

最近のネットニュースは、終活の問題や、葬儀・墓のあり方を多々取り上げている。厚生労働省によると、現在、1年間の死亡者数は約130万人。団塊の世代が80歳代を迎える2030年には160万人に達するとされる。都内の斎場の受付職員は「繁忙期はご遺族のご希望の時間帯に添えないことも多く、なかには火葬まで7日もお待たせするケースもあります」と話す。私自身も、横浜の門徒さんの場合死亡から2週間後に葬儀が執行されたのを20年ほど前だが、今でも覚えている。

なんでもビジネスに結びつけるのが、虎視眈々と狙っている頭の良い?蓮中だ。アマゾンの3万5千円の派遣坊主(仏教会が猛反対したのには、正直大笑いした。世間とかけ離れたところに葬儀という形でしか存在しない仏教の在り方、情けない)。

遺体ホテルというものも最近流行りだしてきたらしい。火葬場不足の背景には、新たな火葬場建設が難しいという事情がある。火葬場建設計画が持ち上がっても、土地のイメージが悪くなるとして地元住民が反対するケースが多い。そこで都市部では不要になったホテルを遺体冷凍保存し、火葬場が使用できるまで、預かるそうだ。この傾向は、田舎でも言える事であろう。羽咋市の火葬場の移転問題も頓挫したままだ。

多死社会を前に、自分の遺体を大学医学部の解剖実習のために提供する「献体」の登録者数が増えている。篤志解剖全国連合会によると、現在の登録者数は26万人を超え、30年前の4倍になったといわれる。そこには、葬儀も墓も取り仕切る、親類縁者との関係が破綻してきている。

この波が過ぎた多死社会の日本の行く末は、若い世代にとって何の魅力があるのだろうか? 抄出Yahoo!ニュース 珀琳寺 住職

本山・春の法要4月1日~3日 御本尊還座式3月31日勤まる

先般、本山(東本願寺)に於いて、阿弥陀堂の御修復にともない2011年より仮阿弥陀堂(御影堂九字之間)に安置されていた御本尊・阿弥陀如来阿弥陀堂へ還座する「御本尊還座式」が執り行われた。始発で坊守さん達5名、自身は次の電車で上山した。時間もある事とのんびりとコーヒーを啜っていたら、両堂とも満堂。発表によると1万人の参詣者と言う事。記念講演は池田勇諦先生、池田先生が出講出来なくなったなら、代わりになる方は頭に浮かばない。阿弥陀堂御修復完了奉告法要」から出仕させて頂いたが、例年の「師徳奉讃法要」と兼修ということであった。もう少し重い法要にさせるべきと感じた。何故か、本山のHPは「親鸞聖人御誕生会」音楽法要の画像が大きくUPされていた。   珀琳寺 住職

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満堂の御影堂

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お勤め(仮阿弥陀堂にて)

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唐櫃・カラビツに収められる御本尊(御門首と定衆2名)

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外縁を通って阿弥陀堂

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御本尊、通過・念仏の声が

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金箔が輝く阿弥陀堂

彼岸の中日

今日20日はお彼岸の中日です。あいにくの雨で、早朝に本堂のお勤めの後に、寺の墓と永代供養墓にもお参りしてきました。珀琳寺 住職 

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仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界を彼岸といい、その反対側の私たちがいる迷いや煩悩に満ちた世界を此岸(しがん)といいます。

そして、彼岸は西に、此岸は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考え、墓参りをするようになったと言われています。


3・11 大震災5年

ボランティア激減=ピークの3%、不足深刻―福島・大震災5年

東京電力福島第1原発事故が起きた福島県では、ボランティアの不足が避難住民の帰還に向けた作業に影を落としている。今春の避難指示解除が見込まれる南相馬市では、これまで手つかずだった家屋の片付けなどが本格化し需要が急増。市社会福祉協議会は若者らの参加を呼び掛けているそうだが、これは5年経った風化と見ていいのだろうか?避難指示解除が見込まれる南相馬市に足を踏み入れること自体が放射能に汚染された大地に踏み込むという冷静な判断が出来るようになったのでは?地震直後はその冷静さを失い、純粋なヒューマニズムに押され沢山の人が押し寄せた。福島第1の事故の状況が5年後の今になっても小出しされている状況。国民もそんなにも馬鹿ではない。メルトダウンどころかメルトスルー・・大津地裁が9日、関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定を出した一件はこの11日を見据えてのガス抜き・ぬか喜びという識者もいる。これぞ美しき国の中身であろう。珀琳寺 住職

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今日、報恩講参りで門徒さんの家で咲いていた紅梅